ラジオペンチについて

ラジオペンチを扱うコラム第 1 弾。今回はよくあるお問い合わせのラジオペンチのくわえ部の隙間について解説します。

ラジオペンチとは?

ラジオペンチとはペンチの一種で、先端が細長く細かな作業に向いている工具です。昭和時期にラジオ等の電子工作用に開発された所から名前 の由来があります。日本独自の名称です。海外ではラジオペンチでは通じません。
ペンチと同じく線材を切る・曲げる・つかむ・引っぱるなどの用途で電子工作以外にも様々な場面で活躍します。先端が細長いのでペンチに比べ、狭所作業に向いているのが特徴です。


主なラジオペンチの形状

ラジオペンチには用途によって様々な種類があります。大きく分けて一般的な JIS 規格形状・先細・先曲がり・ロング等のタイプに分かれます。

その他、ネジ回し付きや圧着機能付きなど様々な形状があります。

その他、ネジ回し付きや圧着機能付きなど様々な形状があります。

くわえ部の隙間はなぜ空くの?

よく「くわえ部全体が閉じてなく、隙間が空いている」「薄い板材をつかめない」等のお問い合わせをいただきます。
実はこの隙間には理由があります。


理由は刃が切れることを優先するから


いくつか理由はありますが、一番の理由は刃があることです。ニッパー・ラジオペンチなどの刃は削りながら切れ味を調整します(刃付けとい います)。刃が切れることを優先すると必ず先に刃が接地している状態にしなくてはなりません。
構造上、図①のような状態になります。


図①の状態では先端で物をつかむことはできません。しかしながら JIS の規格を見てみると先端部について「先端部の内側は,2mm 以上密着 していなければならない。」という規定があります。これは先端で物をつかむことができるようにするための規定です。刃が切れてかつ先端でつ かめる形状にするため、刃を付けた後に先端を曲げる矯正加工をしています。
結果、図②の状態となるのです。これが正常な状態です。

まとめ


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